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behmore1600AB plus マニュアル焙煎でオリジナルのコーヒーを作ろう!

皆さんこんにちは。
今日も自宅焙煎の魅力をお伝えしていきます。
今日はビフモアを使ったマニュアル焙煎の仕方を説明しようと思います。

オートモードで焙煎するのも楽しいのですが、慣れてくると微調整したり、自分で最初から最後まで火力を調整して焙煎をコントロールしたくなってくると思います。

ビフモアはオートモードだけではなくマニュアル機能も搭載されています。
マニュアルモードの使い方をマスターして、自分だけの焙煎をやってみましょう。

目次

①マニュアル焙煎で使う機能

まずはマニュアル焙煎で使う機能を紹介していきます。

初期設定…焙煎時間の設定

初期設定では、オートモードのときとは違って、時間だけを設定するものだと考えてください。

その理由は、焙煎がはじまったらすぐにマニュアルモードに切り替えて、その後の火力はすべて自分で調整していくからです。

設定の方法はオートモードで行った初期設定とほぼ同じです。

マニュアルモードへの切り替え方法

初期設定を行って、焙煎がスタートしたら、すぐにマニュアルモードに切り替えます。

方法は、P1~5のボタンをどれでもいいので押すだけです。

オートモードでは画面に表示されているP1~5の文字は常に点灯していますが、マニュアルモードに切り替わると点滅しはじめます。

 ※ちなみに400gのボタンを押すとオートモードに復帰します。オートモードに搭載されたプロファイルを微調整して焙煎する際は、微調整したいタイミングだけマニュアルモードにします。

火力の調整


このP1〜P5の違いは、火力です。

P5が一番火力が強く、P4、P3、P2と火力が小さくなっていき、P1だと火力が消えます。

ビフモアは、電熱線を点けたり消したりして火力を調整しているので、

P5だと電熱線が常に点灯、P4では点灯と消灯の時間の比が3:1、P3では半々、P2だと1:3、P1だと常に消灯になります。

マニュアル焙煎では、P1〜5のボタンを使って自分の焙煎をデザインしていくことになります。

温度の確認

温度の確認には、AボタンとBボタンを使います。なぜか摂氏ではなく華氏で表示されます。


次に温度の確認方法です。

Aボタンは庫内の排気チャネル温度、Bボタンは庫内の壁面温度です。※排気チャネルってよくわかりませんが…

残念ながら豆の表面温度ではないので、この二つの温度を見比べながら、豆の状態を推し量ることになります。

これにはどうしても慣れが必要なので、何度か焙煎を繰り返しながら、この二つの温度と豆の状態を想像しながら火力調整をしていきます。

庫内ライトの使い方

豆の状態を推し量るために、もう一つ大切な機能が、庫内ライトです。

lightのボタンでつけることができます。

ただ、常に庫内の豆はかき回され動いていますし、電熱線が赤く光っているので、ローストカラーがはっきりわかるかと言われると微妙です。

これにも慣れが必要かなと思います。

時間の延長

最後に時間の延長方法についてです。

マニュアル焙煎をしていると、火力不足などの理由で最初に設定した時間では、思ったように焙煎が進まないことがあります。

そのままにしておくと、時間が0:00になって焙煎が終了してしまいます。

そんなとき、Cボタンを押すことで、残り時間を1分40秒にすることができます。

「残り時間を1分40秒延長する」ではなく、押した瞬間に「残り時間が1分40秒になる」なので注意してください。

おすすめの使い方は、残り時間が10秒になった時にCボタンを押すことです。

こうすることで実質1分30秒延長することができ、焙煎時間を把握しやすくなります。

※「+」「ー」ボタンでも時間を調整できますが、私は連打が面倒なのでこちらの方を使っています。

マニュアル時の各部機能まとめ

②マニュアル焙煎の楽しみ方

それでは次に、実際に焙煎をしながら、マニュアル焙煎の楽しみ方をお伝えします。

生豆の準備

次に生豆の準備をします。今回焙煎する豆がどのような状態なのか把握しましょう。

産地などの基本情報を確認します。

また、豆のにおいと、ハンドピックを行う前と後の重さを測って欠点豆がどの程度あるのか知っておきます。

そして、焙煎前の重量を測っておきます。

焙煎後にも重量を測って、チャフや水分が抜けることによってどの程度重さが減少するのか把握します。

焙煎計画(プロファイル作り)

焙煎の前に、焙煎計画(プロファイル)を作成しておくことを強くおすすめします。

これは、後で焙煎を振り返り、次の焙煎でプロファイルの微調整を行って自分の焙煎を改善していくためです。

一回の焙煎で上手くいくことはほぼないので、記録を取って改善していくことが上達するためには必須です。

そしてこれがマニュアル焙煎の醍醐味と言っていいと思います。

ビフモアは自動で焙煎記録をとってくれるような機能はついていないので、自分で逐一記録を取っていくことになります。

ちょっと不便ですが楽しいですよ。下は以前使用した私のプロファイルです。

 時間の経過とともに、どのように火力調節をするのかを書いています。

気温や湿度によって、この通りに行くとは限りませんが、目安としてできるだけこの通りに焙煎をすすめます。

余熱

余熱を行っておきます。庫内の温度を確認しながら、必要な温度になったら一度電源を落とします。

ここで温度を上げすぎると、安全装置が働いて焙煎スタートボタンにロックがかかる仕様になっているので気を付けましょう。

感覚的には240度以上になるとロックがかかる可能性が出てきます。私は200度で止めています。

焙煎開始

素早く生豆を入れ、いよいよ焙煎開始です。時間設定を行い、スタートボタンを押します。

焙煎を完了させる予定に合わせて設定します。上のプロファイルなら12分30秒です。

温度を見ながら火力を調整

焙煎が始まったら、経過時間を確認しながらプロファイル通りに火力を調整していきます。

私の場合は1分ごとに温度を記録しています。

排気ダクトが開くと庫内の温度が下がる

4分ほど経過すると、内部の温度が急に下がるタイミングがあります。

これは、庫内ダクトが開くためです。慣れてくるとそのタイミングの直前から火力を少し上げて、温度低下に備えることができるようになります。

豆の色と匂いの変化に気を付けよう

焙煎には、豆の状態によってステージがあります。

まずは水抜きの段階です。この段階では、生豆に含まれている水分を抜いていきます。

最初から高火力にしすぎると、表面だけが焼けて中の水分が抜けていない状態になってしまいます。

はじめは火力を調整しながらじっくり温度を上げ、水抜きしていくことをおすすめします。

次に化学変化が多く起こる段階です。かなりややこしいので覚悟してください(笑)

100度くらいから熱分解が起こり、糖(スクロース)が様々な有機酸となり、酸味が増えます。

ここでできるキナ酸がコーヒーの酸味に影響します。

150度付近ではメイラード反応が起こります。

糖(スクロース)とアミノ酸がメラノイジンに変化し、急に香りが強くなります。

メイラード反応の時間が長いほど甘さや香りが出て、短いと酸味が強くなります。

ただ、長すぎると味や酸味が感じにくくなります。

160度くらいからはカラメル化が始まります。

カラメル化では糖(フルクトース)が反応して独特の苦み成分が出て、香ばしい香りがします。

165度前後になると加水分解が激しく起こります。

加水分解ではクロロゲン酸がキナ酸とカフェ酸に分解され、酸味が増えます。

キナ酸は、焙煎の過程で豆の中の水分が減ると増加しますが、加水分解を起こすと減少します。

180度を超えるとカラメル化が一気にすすみますが、すすみすぎると糖が炭化して焦げができてしまいます。

ちょっと訳が分からなくなってしまいそうですね。

化学反応については、調べれば調べるほど奥が深く、未だ私も理解しきれていませんので、これ以上の深入りを避けておきます。

誤解を恐れず簡単に言えば、「温度によっていろんな化学反応が起きていて、その温度帯にどれだけ時間をかけるのかによって味が変わってくる」ということです。

そして、大きな傾向として、酸味は浅煎りの段階で最も強くなり、その後減少する。苦味は焙煎が進めば進むほど強くなる。ということが挙げられます。

まぁ、あくまでプロではなくアマチュアの自宅焙煎なので、楽しむことが目的です!気楽にいきましょう!

ハゼの音に気を付けよう

そうしているうちに、焙煎機の中からパチパチと音がしてきます。

これを1ハゼといいます。

1ハゼが終わると、一度庫内が静かになり、さらに焙煎を進めると今度はピチピチと細かい音がしてきます。

これを2ハゼといいます。

これは、豆の中の水分が抜けて、豆にクラックが入ることによって起こる音です。

この音を参考に自分の狙っている焙煎深度で焙煎を止めます。目安は以下の通りです。

  • ライトロースト………1ハゼの始まり
  • シナモンロースト……1ハゼのピーク
  • ミディアムロースト…1ハゼの終わり
  • ハイロースト…………1ハゼの終わりから2ハゼまでの中間
  • シティロースト………2ハゼの始まり
  • フルシティロースト…2ハゼのピーク
  • フレンチロースト……2ハゼの終わり
  • イタリアンロースト…2ハゼの終わりから炭の中間

ビフモアで焙煎する場合、説明書では2ハゼが始まった後10秒以上焙煎することは禁止されています。これは発火を避けるためです。

火力にもよりますが、1ハゼからの焙煎の進行速度はかなり早いので、落ち着いて対処していきます。

冷却

最後に冷却です。止めたいタイミングでoffのボタンを押し、豆を取り出して冷却機で冷やします。

ビフモアの場合、放っておいても焙煎が終わると冷却モードになるのですが、

庫内は徐々にしか冷えていかず、冷却中にも焙煎が進んでいってしまいます。

気温によっても差が出ますし、プロファイルに大きな影響が出るので、私は冷却機を使っています。

エイジング(1週間~3週間かけて飲み比べよう)

焙煎した後はエイジングによる味の変化を確かめます。

焙煎直後はロースト臭も強く、味が整っていません。

生豆や焙煎の仕方によって、焙煎後何日目くらいが一番飲み頃になるかがわからないので、

3週間ほどかけて少しずつ飲み、記録をつけていきます。

同じ生豆を焙煎時間を変えて焙煎してみよう

焙煎時間や火力など、どれか一つ条件を変えた焙煎豆を作成し、比較すると面白いですよ。

特に焙煎時間を変えると、味や香りが大きく変わるので、エイジングによる変化やプロファイルの研究を楽しみたい方にはおすすめです。

焙煎プロファイルを見返そう

エイジングによる変化を確かめた後は、そのプロファイルについて見返してみます。

酸味が強すぎた場合は、焙煎時間を長くしたり、焙煎深度を深くしてみたりするなどプロファイルに調整を加え、もう一度焙煎します。

この時、条件をいくつも変えてしまうと、何が味に変化を与えたのかわからなくなるので、

できれば一つだけ条件を変えるといいと思います。

さいごに

いかがでしたか。

自分で生豆を選び、それに合った焙煎を研究するのはなかなか大変だと思われたかもしれません。ただ、私の場合はこれらの研究を通してコーヒーの知識が深まっていくことがとても楽しく思えました。また、自分で焙煎を始めると、お店で焙煎した豆がいかにおいしいかということが、それまでよりもよくわかるようになります。店によっては、どう考えても自分では出せない香りや味が出ている豆に出会うことがあります。そういう豆に出会った時の感動は、自分で焙煎をしていなかったときに比べて非常に大きいものです。そして、自分の焙煎で、どうにかその味が出せないか、試行錯誤するわけです。自家焙煎珈琲店めぐりも今までよりも楽しくなりますよ。良ければ一緒にコーヒー沼にはまりませんか。

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